
輸入住宅とは、「海外の設計思想による住宅を、資材別またはパッケージで輸入し、国内に建築する住宅」のこと。これは、輸入住宅関連のメーカーや商社などを会員とする業界団体、輸入住宅産業協議会がしている説明です。
この説明には、2つのキーワードがあります。
- (1)「海外の設計思想」
- (2)「資材別またはパッケージで輸入」
輸入住宅と呼ぶには、この2つを満たしている必要がありそうです。

- 輸入住宅の場合「海外」とは、ほぼ「欧米」と考えていいでしょう。欧米の住宅は、デザインも間取りも、そして性能も、日本とは異なる考え方でつくられています。
日本の伝統的な建物がそうであったように、その土地の文化や気候などに合わせて、欧米の住宅は進化してきました。欧米ならではの「設計思想」には、ヨーロッパスタイルの建物のデザインや、寒冷地域ゆえの高い断熱性能などが挙げられます。
また、欧米の住宅の特徴には、間仕切りを減らして、ゆったりとした広い空間をつくる点もあります。
そのゆったり感は、住宅のモジュール(基準寸法 ※)の違いによるものでもあります。日本の住宅が910mmを基本とするのに対して、北米は1,220mm、北欧は1,000mmを基本にします。こうしたモジュールの違いは、部屋の広さだけでなく、窓やドアの大きさや、廊下の幅などに顕著に現れ、住空間のゆったり感を左右します。
輸入住宅は、そうした欧米の設計思想を、日本の家づくりに取り入れようという発想からスタートしています。
しかし、欧米の設計思想をそのまま流用するケースは稀です。日本人は、家の中では靴を脱いで生活します。このため、玄関に上がり框を設ける必要があります。畳の空間が欲しいという人は、輸入住宅に和室を設けます。バスルームのあり方も、日本独特です。
また、建物を建てるときには日本の法律(建築基準法)に合わせなければなりません。日本と欧米では異なります。輸入住宅であっても日本の建築基準法に合わせてつくらなければなりません。
つまり、欧米の設計思想を、日本のライフスタイルや法律に合わせてアレンジしているのが、輸入住宅なのです。
※基準寸法とは・・・
住宅を設計するときに基準となる寸法のこと。日本家屋では、一般的に尺貫法の3尺(半間)が基本単位です。たとえば、畳は1間×半間(1,820mm×910mm)で、日本ではこの単位を基本に部屋や開口部が作られてきました。

- 輸入住宅の2つ目のキーワードは「資材別またはパッケージで輸入」です。これは、「家を建てるのに必要な資材を一括して、もしくは材料ごとに、欧米諸国から輸入すること」を意味します。一括か材料別かは、購入する輸入住宅によって違います。
輸入住宅といっても、資材の100%を欧米からの輸入品でまかなうケースはほとんどありません。コンクリート基礎や、屋根や壁の下地材、設備の配管・配線類などは、国産品あるいは欧米以外の国からの輸入資材を使います。キッチンや水まわりの設備、サッシのように、ケースバイケースで欧米から輸入したり、国産品を使ったりする資材もあります。
輸入住宅の資材として欧米から輸入するのは、構造材とインテリア部材です。構造材とは柱や梁などの木材、インテリア部材はフローリングやドアなどです。
このようにみてくると、欧米からの輸入資材と、国産品や欧米以外の国からの輸入資材によって、輸入住宅はつくられていることがわかるでしょう。
では、欧米からの輸入資材が一部にすぎない場合でも、輸入住宅と呼べるのでしょうか。残念ながらその場合は、どんなにデザインや間取りが洋風でも、輸入住宅の範疇から外れてしまいます。何%以上という明確な定義はありませんが、輸入住宅という以上は、大半の資材を欧米から輸入していることが目安となります。